びわ湖をめぐる環境

琵琶湖の環境 長谷川直子(お茶の水女子大学)

2009年09月30日

琵琶湖の環境(近年の琵琶湖をめぐる環境課題vol.1)

 滋賀県にある琵琶湖は日本で一番大きな湖であると同時に、とても古い湖である。その古さもあり、琵琶湖の固有種(その湖にのみ生息する生物種)が50種もいる。また、琵琶湖は近畿1400万人に生活用水を供給している重要な水資源でもある。このように、自然的にも社会的にも貴重な水資源は世界にそう多くはない。琵琶湖は、世界的に見ても貴重な水資源であるといえる。
 近年琵琶湖を脅かしているとても大きな問題が地球温暖化である、と筆者は考えている。地球温暖化の問題は、アオコや赤潮のように目に見える現象とは異なり、長い年月を経て徐々に起こっていく現象であるため、一般的に問題として認識されにくい。しかし、IPCCの予測にもあるように、この先数十年にわたり気候が温暖化することは必至であり、そのとき琵琶湖はどうなるのか、それを考えるたびに、筆者はまるで死にゆく琵琶湖を看取っている気持ちになる。(一般論として、気候が温暖化したときに湖がどうなるのかについての概説は、熊谷(2008)や長谷川(2008)を参照されたい。)
 2007年の琵琶湖では、将来の琵琶湖像を予見させる、さまざまな問題がおきた。琵琶湖の概論は他に譲るとして、本稿では、2007年に発生した琵琶湖をめぐる状況を、研究者としての立場から書きとどめたい。


続き

この文章は、2008/8 地理に掲載された原稿を元に、作者長谷川氏の許可を得てアップしています.

古今書院HP
http://www.kokon.co.jp/

「地理」53巻8月号目次
http://www.kokon.co.jp/5308-m.pdf

↓この写真は本文とは関係ありません。9月26日実施の湖底ゴミ引上げ調査にて撮影
琵琶湖の環境 長谷川直子(お茶の水女子大学)



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近年の琵琶湖をめぐる環境課題 vol.6
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Posted by びわ湖トラスト事務局 at 12:40│Comments(2)琵琶湖
この記事へのコメント
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